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スタートアップ企業のM&A売却ランキング TOP5

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私自身バイアウトを目指す起業家として、またスタートアップ企業のM&Aアドバイザーとして関与することも多くなってきており、過去5年間のM&A売却ランキングTOP5をまとめてみました。

※出典:株式会社M&Aクラウド 『M&AtoZ』より

https://media.macloud.jp/archives/2514

 

 

5位 KDDIによるnanapi買収
2014年10月に77億円の買収と報道されています。2007年12月に創業されたnanapiは、10万以上の生活に役立つテクニックを集めた、日常生活のハウツーメディアを運営している企業です。創業者はツイッターなどでも『けんすう』として有名なシリアルアントレプレナーの起業家、古川健介氏。古川氏は大学受験浪人時にサービスを開発、大学入学後に起業し、卒業後はリクルートに就職。リクルート在職中にnanapiを創業しています。連結子会社化した経緯については、変化の早いインターネット業界で、通信インフラ・顧客基盤を持つKDDIと、インターネットサービスの開発力やユーザー獲得に強みを持つnanapiが手を組み、新たなメディア、コミュニティサービスを提供することで、大きな規模とスピード感を持つサービスを作る基盤を構築するためとしています。

参考・出展:評価額は約77億円、nanapiがKDDIの子会社となり「けんすう」は次の答えを求めて旅に出る、KDDI、ハウツーサイトの「nanapi」を子会社化–買収額は非公開

 

 

4位 ヤフーによるdely買収
2018年7月、93億円にて株式を取得し、既に15.9%であった議決権所有割合を45.6%まで引き上げる形で連結子会社化しました。今回の資本提携によってdelyは、ヤフーが有するメディア・コマース事業等の多様なリソースを活用することが可能になり、delyが持つ独自性や優位性をより強化できるとしています。具体的には、ヤフーのメディア・コマース関連サービス等の利用者がクラシルのコンテンツを利用しやすい取り組みをすすめ、ヤフーのユーザー体験の向上を図るとともにdelyの更なる収益強化の実現を目指すと述べています。また今回の買収では、delyと社長の堀江氏は1株も手放していません。今後はIPO、企業価値1,000億、1兆円を目指す過程でまずは国内No.1になるために、ヤフーと共に歩むことが一番だと考えたと堀江氏自身は述べています。堀江氏は慶應義塾大学在学時にdely社を起業、数度のピボットを経て現在のレシピ動画サービスを2016年2月より始めています。

参考・出展:ヤフー、レシピ動画「クラシル」のdelyを連結子会社化、株式取得総額は約93億円、孫正義に想い伝えた26歳、dely創業者の誓い。ヤフー子会社化は「武器だ」

 

 

3位 mixiによるチケットキャンプ買収
2015年3月、チケットキャンプを運営するフンザを115億円で株式100%取得しました。フンザは2013年創業の当時国内最大級のチケットフリマサービス「チケットキャンプ」を運営していました。コンサートや演劇、スポーツなどの公演チケットをユーザー同士で取り引きできる二次流通プラットフォームで、2014年12月の流通総額は約8億円となっていたそうです。しかし2017年末に同サービスはチケットの高額転売問題やジャニーズの商標権問題により閉鎖しています。チケットキャンプ閉鎖前、mixi買収後のフンザは、2016年6月期の決算公告で当期純損失1億600万円でしたが、1年後の2017年6月期には当期純利益15億7,100万円と驚異的な伸びを見せていました。mixiとしては「モンスト」に次ぐ事業の柱として期待していただけに同社の成長戦略に大きな痛手となりました。創業者の笹森氏は楽天、ZyngaJapanなどでマネージャーを経験した後、フンザを創業したそうです。

参考・出展:ミクシィがチケット二次流通マーケットの「チケットキャンプ」を115億円で買収、転売サイト「チケキャン」サービス停止 親会社ミクシィに激震、成長戦略に打撃

 

 

2位 ポラリスによるBAKE買収
2位はPEファンドのポラリスによるお菓子ブランドのBAKE買収です。2017年7月、150億円(100億円強との報道も)でほぼ100%の株式取得での買収といわれています。ポラリスはBAKEの上場を見据えて買収を行ったそうです。BAKEが手掛けるお菓子ブランドにはシュークリームの「クロッカンシュー ザクザク」やアップルパイの「RINGO」、バターサンドの「PRESS BUTTER SAND」等、どれも流行を創出するスイーツ店として独自の地位を成果業界で築いています。BAKE創業者の長沼氏は慶應義塾大学卒業後、総合商社丸紅に就職、退職後父の経営する「きのとや」で働いたのちにBAKEを創業しています。

参考・出展:チーズタルトなどのBAKE、投資ファンドのポラリスに150億円で売却、投資実績(4号ファンド)詳細

 

 

1位 KDDIによるソラコム買収
過去5年間のM&Aで最も大きなスタートアップの買収ディールとなったのはKDDIによるIoT通信スタートアップのソラコム買収です。KDDIは株式の過半数を200億円で買収したといわれています。このディールも2017年のものであるため、上記同様、2017年度編集部が気になったM&A-中小ベンチャー・スタートアップ編-の記事で詳細について述べています。KDDIにグループに入ることを決意した理由として、「今後IoT通信プラットフォームをやろうと思うと、5GのIoT向けサービスを、いかに早く市場投入できるかというのが勝負。1つのキャリアと組むのがベストだと判断しました」と述べています。また海外展開に際して海外キャリアとの交渉力を得るという理由もあったといわれています。ソラコムは設立からわずか2年半でイグジットとなっています。KDDIは上記のnanapiの買収などM&Aに積極的に取り組んでいる企業として有名です。2018年10月には子どもが就業体験できる施設「キッザニア」の運営会社を買収しています。創業者の玉川氏は日本IBM基礎研究所、AWSで働いた後、ソラコムを創業しています。また東京大学院、米国カーネギーメロン大学MBAを修了しています。

参考・出展:【続報】主導権をもって世界を獲りに行きたい―、KDDIによる買収をソラコム玉川氏が決めたワケ、KDDIがキッザニア買収 教育×ITで次の収益

 

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最近はIPOを目指していたものの、IPOを取りやめM&A(バイアウト)に切り替える経営者も増えてきていると感じております。

 

また、起業時からM&Aを目指すスタートアップも確実に増えてきており、M&Aをしやすくなる資本政策やリーガル面のテクニックを教えて欲しいと相談者から問い合わせも多いですね。

 

そして、IPOでもM&Aでも第三者が見て問題ない企業に起業時から整えておくことをおすすめします。私自身もこの点は起業時からかなり強固にしております。