読書記録〜日経ヴェリタス それでもカリスマ〜
それでもカリスマ、そんな見出しの日経ヴェリタス 第571号より。
日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の逮捕劇、それをきっかけに明るみになった「コミットメント経営」という数字を追いかけるあまりにたまった900億円という下方修正のツケ。
長年のゴーン元会長のカリスマ的経営がブラックボックス化していたとの見方が多い。
しかしながら、それでも強いリーダーシップを持つカリスマ経営者が企業成長を促進させ、日本を支えている。
ソフトバンクグループ孫氏、楽天三木谷氏、GMOインターネット熊谷氏、サイバーエージェント藤田氏、オプトHD鉢嶺社長、ブイ・テクノロジー杉本氏、ケア21依田氏、SBSHD鎌田氏、デジタルアーツ道具氏の方々など、創業者がカリスマトップとして長年率いる企業の成長力は高い。中には15年で時価総額を50倍超伸ばした企業もある。
■カリスマの異変例
- ビジョンへの言動変わった
- 急に太ったり痩せた
- 急にゴルフ焼け
- 言葉遣いが横柄になる
- IT売りでなく金融売りになった
- トップが現場見ない知らない
- 身の丈を超えたM&A
- 全く違う分野へ進出
- トップとの面談に多数が同席
■野村総研の分析より
社長とそれ以外の幹部の在任期間の差が大きいほど、退任後の業績が悪くなる
■権力は腐敗するカルスマ事件簿
セブン&アイ HD
鈴木会長がセブン-イレブン・ジャパン井阪社長に退任要求したが否決され引退
積水ハウス
和田会長が安部社長に退任迫るも返り討ちに合い辞任
セイコー HD
経営陣が取締役会で緊急動議し、服部名誉会長の影響力を排除
大塚家具
大塚会長と長女の大塚社長が委任状争奪戦
大戸屋 HD
創業者三森氏が亡くなり、いとこの窪田社長と創業家と泥沼対立
上記のような先輩経営者の前例からも、我々起業家は企業成長だけでなく、自身の引き際も計画しておきたいところ。M&Aなのか、それともIPO後も自身がトップであり続けるのか。
自身の強みと弱みを把握し、自身の地位に拘らない潔い決断ができるかなど後悔しない組織づくりと企業成長を今から準備しているベンチャー経営者は少ないのではないでしょうか。