読書記録『起業家はどこで選択を誤るのか』
起業が一種の戦闘だとしたら、負傷する原因はたいてい、味方からの誤爆か自爆にある、、、
500ページ以上からなるこの本の第1章はこんなインパクトのある文章で始まるのですが、このブログを読んでくれている経営者なら経験のある人が多いのではないでしょうか。
ふと本屋に寄ると起業本が多く置かれており、思わず購入したのが今回紹介する『起業家はどこで選択を誤るのか』3500円。
私も長年ベンチャーで役員を務めてきて、内部での問題で弁護士マターにしても良いぐらいの苦い経験を幾度かしたことがある。まさかあの人がそんなことをしてるなんて、、、
私のバイブルでもある『ビジョナリー・カンパニー』にも書かれている通り、組織に合わないそのような人は、病原菌に取り憑かれたかのように出ていく。そんなことも経験済み。
悪質な相手の場合は、弁護士や調査会社、友人のツテなどを使い徹底的に追い込む証拠を取ることもありました。顧問弁護士からも中村だけは相手にしたくないと言われるほど。
しかしながら、結局何もせず許そうと思えるようにもなってきたぐらい慣れてきてしまったのもお恥ずかしい経験。
「人の問題」という難問を解き明かすために、著者は10年にわたり1万人近くの起業家を調査し、有名無名の起業家たちに直接インタビューし、そして米国中の研究結果をかき集めた。その結果、導き出されたある一つの仮説を示したのがこの本。
●1人で起業するか、チームで起業するかを判断するポイント
●早い起業と遅い起業のメリットとデメリット
●誰と起業するかをどう決めるのか
●エクイティや給与の決め方は
●いつ誰をどんな役割で雇えばよいか
●投資家とはどう付き合っていけばよいか
●ファウンダーCEO交代はどんなきっかけで
●富とコントロールを両立した「起業家の理想」は実現可能か
●ブロガー、オデオ、ツイッター創業者の破天荒起業録
■賞賛の声
「YouTubeで我々が経験したように、初期に下す決断の影響に計り知れない」
チャド・ハーリー(YouTube共同創業者)
「実践的なアドバイスと学術研究の絶妙なバランスで、あらゆる起業家を悩ませる「人の問題」の核心に迫っている。
ガイ・カワサキ(『完全網羅起業成功マニュアル』著者)
■メモ
- 1000万ドルでグーグルに売却したその背景にあったリアルな問題点
- スタートアップは当初からCXOの役職を設ける傾向がある
- 役職についてアイデアの発案者の47%がCEO、CFOはたった1%
- 株式公開し後悔したリアルな経営者談
- 知らない人と起業し知らない人を雇うほうがビジネスに徹しやすい
さてさて、私の逆張り起業は、本にしたらまだまだ序章前のあらすじ段階。いやまだ表紙をめくってる最中、そんなステージかもしれない。その為、今でも起業に関する情報はとことん収集している。
併せて、情報収集だけでなく、自身でも既に多くの実践をしています。例えば、株主については、私が信頼している諸先輩方々へお声がけし、種類株10万円のみで20名以上から出資し応援頂いております。
ファイナンスについては、税理士や銀行任せにせず、自身で保証協会や金融公庫、港区役所などに出向き財務戦略を取り入れ、同時に投資家としても動いており既に10社もの起業家を支えています。早くも企業価値に増減がある先も出てきており、日々自身の選眼力も高まっていると感じている。
この厚い本、あまりにも内容が興味深く、起業家や起業志望者は読んでおくとロジカルに整理されておススメ。
夢中に読み更けており、ほぼ1日かけて読みブログも書きました。そして、読んだ上で私の逆張り起業スキームはこの本にも当てはまらない新たなスキームだと改めて実感。
- 創業時からバイアウトしか目指さない
- 業務委託のみで社員雇わない
- 自社プロダクト開発最優先
- 常にピボットできる体制
- 固定費はケチを超えあり得ぬぐらい最小限
- 初月から黒字
- 必要以上の受託はしない
- 受託時の値決めは相手にさせ高値NG
- 種類株10万円の小ロット株主多数
- 株主はあらゆる業界の知人経営者中心
- 知人の複数株主によりガバナンス強化
- 上場し見ず知らずの株主を作らない
- 肩書きに拘らない、私は自社のCEO、他共同ファウンダーの場合は会長または取締役CFOとして参画
- 親族や純粋な友人は株主に入れない
- 様々なジレンマに陥らないよう事前に決めておく などなど
組織を作ることが全てでない我が道をいく私の逆張り起業スキーム。誰かに少しでもご参考になれば幸いです。